第32回みらい学講座「教育無償化で高校はどこに向かうのか」
一般社団法人 教育総合サポートみらい
講師 有元 文祐
  神戸弘陵学園高等学校長/公認心理師
高校無償化への道のり



「無償化」に踏み出した背景と行政支援の具体内容
高等学校等への進学[推移](図略)



高校授業料無償化の目的


・日本国憲法第26条
 「すべての国民は法律の定めるところにより、その能力に応じてひとしく教育を受ける権利を有する」
 教育を受ける権利の実質的な保障を目指し、すべての高校生が家庭の経済的理由にかかわらず安心して教育を受けられること


2010年4月1日スタート当初の内容


 (民主党政権)公立高校の授業料を無料化 所得制限なし
 「社会全体で子どもを育てる」という理念のもとスタート
 「私立高校は公立高校よりも授業料が高い→支援金では授業料の一部しかカバーされない


2025年


 世帯収入910万円以下の世帯
 →国が「高校生臨時支援事業」を立ち上げ、申請が行われた場合には年間最大で11万8800円を支給
  公立高校:年間11万8800円(全国一律)→学区の撤廃へ
  私立高校:年間39万6000円上限(11万8800円までが高等学校等就学支援金で超えた分を加算として支給)
経済効果

45万7000円の経済効果

 
・子どもにかかる期待と投資の増大→何にお金をかけるのか
 「高校からの授業料が下がるのなら私立高校を受験してもいいんじゃないか」という傾向→塾の新たなニーズへ
 高校からの入学を閉鎖し、完全中高一貫校に移行する私学が増加→教育機会均等の意義がなくなる


910万円の意味


・令和5年分 民間給与実態統計調査(国税庁)
 日本全体の平均年収は460万円
 正社員の平均年収は530万円 
・令和5年 国民生活基礎調査の概要(厚労省)
 世帯収入900万円超えは上位15.3パーセント

公立と私立の違い



・教員確保 採用ルールの差
・情報公開ルール
・入試科目数

・(海外)
・補助金を受けるなら、追加費用の徴収を認めない
 →補助金なしでもトップ私学は悠々



グランドデザインの実行力やいかに

 

・教員の質の低下
・働き方改革と部活動
・供給が需要(国の求める教育の質を担保できる学校)に追いつかない
 →公立の淘汰(質を担保できない学校は不要)




 


《文責》法人事務局



高校無償化政策(兵庫県)
[所得制限]
 完全に撤廃(26年度より)
[対象学年]
 全学年
[私立高校の負担]
 上限45万7000円まで支給
[最大の特徴]
 国の制度に上乗せして、住む場所による格差を是正する方針
高校無償化政策(大阪府)
[所得制限]
 完全に撤廃(世帯年収にかかわらず全員)
[対象学年]
 全学年
[私立高校の負担]
 実質0円(府がキャップをはめる)
[最大の特徴]
 府も協力し、授業料の持ち出しを0にする大阪モデル
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