第33回みらい学講座「ひきこもる人と親たち」 
一般社団法人 教育総合サポートみらい
講師
 三田惠美子(法人理事長)
若者の声を聴く工夫
 芦屋市 若者相談センター「アサガオ」での9年間の活動

1.キ.テ.ミ.ル.会 「居心地の良い時間、場所を」
 
2.アサガオ連続セミナー 「心を育てる聴き方、話し方」
 
3.親の会 「親の社会性が子どもを成長させる」
   2017年9月より毎月第1日曜日に開催
   親同士が支えあい家族の経験を分かち合う場として、カウンセラーや発達の専門家の助言を受けるなどの交流の場
「ひきこもり」とその背景
1.ひきこもり状態
  6か月以上家から出られない(自宅/自室から出られない)
   コンビニや趣味のための外出はできたりする場合もある
   2022年段階で約146万人

2.ひきこもりから抜け出すには
  ひきこもった原因を探すのではなく、抜け出すことを妨げている要因を探り、取り除く
  気づく(相談窓口)・支える(来所・居場所提供・訪問など)・つなぐ(社会参加・就労支援など)

3.男性は女性の2〜3倍(146万人/2022年)
  20代 仕事や環境への不適応、親の期待とのギャップ
  30代 転職、結婚生活の諸問題
  40代 社会復帰へのハードルの高さ、自己肯定感の低下
  50代以降 社会からの孤立、話し相手の不存在

4.家族の姿の変化・人生の多様化
  未婚率の増加

5.ひきこもっている人の葛藤や苦しみ
  罪悪感、社会に対する恐怖心、自己否定、希死念慮

親ができること



@ 相談窓口を見つける
  相談できない、相談しない親
  世間体、子どもとの共依存、自分を責める、父親は受け入れに時間がかかる

A 親の愛情に対する安心感と自己肯定感の向上につながる子どもへのかかわり
  ひきこもる子どもを理解できない親
  早く学校や社会に戻ってほしい、我が子のひきこもりが恥ずかしい、親のせいかもしれないなど
  過剰な指示や命令口調、親の価値観の押し付け  

B 子どもの話に耳を傾ける
  子どもは望んでひきこもり状態になったのではない
  恥じるのはやめよう
  うちの家族だけの問題ではない
  子どもの立場になって考えてみることで、違った思いに気が付き、親の心に変化が生まれる


苦しんだ末の親の到達点



 子どもの生き方や人生に意味を見出す
 ひきこもる状態について、親なりに理解する → 親にとって新しい人生が始まる


ひきこもり支援の在り方


 
 親がまず行動するべきことは何かを考え、段階的に支援
 もっとも重要な支援者は家族

1.子どもの心身の変化に気づき、受け止め、しっかりと話を聴く対話的関係の再開

2.親の価値観や常識をいったんは横において、今の安全安心な場を保障

3.家庭内で安定した姿が見えてきても焦らない

4.外の世界に向かう時期だが、まずは家庭内に居場所を確保
 

《文責》法人事務局


若者相談センター アサガオ
 2013年10月、社会教育部青少年愛護センターの中に、社会生活を円滑に営む上でひきこもりなどの困難に直面する若者の社会生活を支援する窓口として開設された。
 
アサガオ 相談件数
 2013年の延べ相談件数は58件、支援対象者15人だったが、2017年には延べ相談件数が862件、支援対象が76人に増加した。76人の内訳は、不登校が24人、ひきこもりが21人、発達障害11人、精神疾患10人、その他10人となっている。
「ひきこもり」の実態
 2018年、中高年層(40歳/64歳)を対象に行った調査によれば、中高年層のひきこもりは61万人以上に上り、高齢化と長期化が課題となっている。