豊中市中桜塚
Start・Learn・Future(始める、学ぶ、未来)
Shin学びの森が大切にしているのは、子どもたちが、自分らしい道を見つけて歩み出すプロセスです。
創立から25年、これまでに336名の卒業生がこの場所から旅立ちました。そのどの背中にも、悩みや努力、そして喜びに満ちた日々の物語があります。進路指導とは未来を押しつけることではなく、その子らしさを見つめ、一緒に考える時間だと私たちは考えています。
「設計の仕事がしたい」「航海士になりたい」──そんな小さな憧れから始まった夢が、国立高専・商船での専門的な学びへとつながっていきます。自ら選んだ道で技術を磨き、社会で輝く卒業生たちの姿は、後輩たちの励みになっています。
女子大学や短期大学へ進学した卒業生の多くは、「少人数の環境だったから、先生が私の性格を見抜いて、ぴったりの企業を紹介してくれた」と語ります。人を大切にする学びの場ならではの温もりがあり、一人ひとりの可能性が静かに花開いています。
桜塚高校、山田高校、池田高校、春日丘高校など、地域の伝統校への進学も多くあります。子どもたちは、慣れ親しんだ地域で自分のペースを大切にしながら力を伸ばしていきます。合格発表の日の喜びだけでなく、その道のりにある努力と涙も、私たちは見守ってきました。
勉強だけがすべてではありません。友人との笑顔、クラブ活動の充実、壁にぶつかる経験──そのすべてが心を育て、人生の支えになると信じています。
「思い出のない人生はつまらんよ」――これは創立当初から変わらない私の想いです。学びと出会い、成長の喜びを味わいながら、自分の未来を自分の手で選び取ってほしい。Shin学びの森は、これからもその一歩を、ともに歩んでいきます。
「学びの先に、人生の軸が見えた」
中学生の頃の私は、将来がまったく見えていませんでした。「大学に進む意味って何だろう」「自分は何を仕事にして生きていけばいいのだろう」そんなことばかり考えていた時期がありました。高校時代も、毎日が「この先どこへ向かうのか」という迷いと隣り合わせでした。
その中で、この塾の先生から教えてもらったのは、勉強のやり方だけではありませんでした。あるとき先生が渡してくれた是川銀蔵さんの『最後の相場師』という本。その中には、お金が“誰のためにあるのか”という問いがありました。「お金は何のために使うのか」「仕事を通して、どれだけ人の役に立てるのか」そのことに初めて真剣に向き合うことができました。
また、先生からよく聞かれた「世界三大商人」の話も、今でも心に残っています。「アラブ商人、ユダヤ商人、そして大阪商人が世界を動かす」「大阪商人のモットーは、人情」。その言葉が、自分の価値観を少しずつ形作っていきました。
その後、山田高校から大阪市立大学商学部に進み、今、総合商社・双日で石油・天然ガスの仕事をしています。世界を飛び回り、国境を越えてエネルギーを届ける仕事です。商談の場で大事なのは、数字だけではありません。相手の立場を思いやる心の重さが、最後に信頼を決めてくれます。その感覚は、まさにこの塾で教わった「大阪商人の心」と、是川銀蔵さんの「誠と愛」そのものです。
この塾は、偏差値だけを上げる場所ではありません。「なぜ学ぶのか」「何のために生きるのか」本気で向き合ってくれる場所です。もし今、将来が見えなくて不安な人がいるなら、ここで過ごす時間が、きっと将来の人生の土台になります。私は、そう断言します。
(山田高校、大阪市立大学(商)、双日 T先輩)
「憧れを、本気に変えた塾」
小学6年生の頃の私は、勉強が得意とは言えず、何かにつけて「自分にはこれくらい」で諦めが先に立っていました。自分より賢い子がいる、もっとできる子がいる、そのたびに「自分には限界があるのかな」と思っていました。
その転機が訪れたのは、中学1年生の夏に塾に置いてあった大学のパンフレットでした。そのページには、ロケットが一気に空へと駆け上がる瞬間の写真と、その横にヘルメットをかぶった女性技術者の姿がありました。その写真を見た瞬間、「こんな風な女性技術者になりたい」と、心の奥底で決めました。
ひとりっ子でわがままなところもあった私ですが、この塾には小4から高校3年まで、さまざまな年代の仲間たちがいました。先輩たちの姿に刺激をもらい、後輩たちに背中を押されながら、少しずつ自分を変えていきました。私は天才ではありませんでしたが、毎日、昨日の自分を超えることを目指しました。その積み重ねが、京都大学合格へとつながったのです。
今、私は日本製鉄の技術開発本部で研究に取り組んでいます。日々の仕事は、新しい技術の芽を育てること。その先に、あのはがきに届けたロケットの世界が、少しずつ広がっている気がします。
ここは、才能を選び出す場所ではありません。「憧れを、本気に変える場所」です。この塾での経験が、誰かの心に届けば嬉しいです。
(千里国際学園高等部、京都大学(理)、日本製鉄 W先輩)
「塾の先輩の一言は大きかった」
小学生のころからShinで学び、中学では勉強の仕方だけでなく、自分の進む道まで一緒に考えてもらいました。高専や大学での学びは簡単ではありませんでしたが、Shinで積み重ねた時間があったからこそ、あきらめずに前へ進めたと思っています。今の仕事でも、あの頃に身につけた粘り強さや、物事をやり抜く力が生きています。進路はゴールではなく、未来の自分につながる出発点だと、今あらためて感じています。
(国立広島商船高等専門学校、国立東京海洋大学、飯野海運タンカー航海機関士 豊中一中 T先輩)
「日本の技術力」
自分は、細かい作業をしているとついつい夢中になってしまうタイプでした。技術の授業では、図面の一本一本の線が気になり、木材の角を何度も撫でながら、納得がいくまで手を止められませんでした。その粘り強さは、塾の数学でも同じで、答えよりも「なぜそのようになるのか」を図で描き、証明を美しく仕上げる作業が好きでした。
大阪市立工芸高校では、形と構造の面白さにどっぷりとはまりました。ものづくりの世界には、感覚だけでは語れない“見えない精度”があると、身をもって感じました。
塾でこんな話を聞いたことがあります。「車でも、新幹線でも、飛行機でも、その“速さ”は、実は“いかに安全に止められるか”という技術の話です」。日産のスカイラインが高速走行を実現できたのも、優れたブレーキ性能のおかげだと聞きました。その言葉が、私の考え方に大きな影響を与えました。
また、2011年3月11日の東北新幹線の出来事も、強く心に残っています。地震のP波を検知し、本震の約30秒前に緊急停止した列車。車掌さんの「列車が止まります」という一言の後、列車は完全に止まり、脱線も、大けがもありませんでした。その静かな停止の裏には、どれほどの技術と人の想いが詰まっているのだろうと、深く感動しました。
現在、私はKaji Tech Co., Ltd.で、1/1000ミリという精度を扱う制御部品の世界に携わっています。高速で走る乗り物を「きちんと止める」ための部品であり、機械だけでは完成できません。最後の精度は、人の手で仕上げられます。人の命を守るには、その“見えない精度”が不可欠です。
Shinでは、深い事象や世界の見方を教えてもらい、探究することの楽しさを実感できました。先生の話が、何年経っても心に残っている。それが、この塾の一番の魅力だと思います。
(大阪市立工芸高校プロダクトデザイン、Kaji Tech Co., Ltd K先輩)