トーマス・マン
トーマス・マンについては、「魔の山」のドイツ語の構文や文体および音の情報に関する分析がある。購読脳を「イロニーとファジィ」、執筆脳を「ファジィとニューラル」とし、それらのマージから「トーマス・マンとファジィ」というシナジーのメタファーを作成した。「魔の山」がファジィ集合論で「ヨーゼフとその兄弟」がファジィ測度である。
魯迅
魯迅の「阿Q正伝」では、サピアの「言語」を題材にしたことばの比較や中国語と日本語から見えてくる思考様式の違いを考えた。さらに「馬々虎々」という精神的な病を記憶のモデルとリンクさせながらカオスの世界を説明している。シナジーのメタファーは、「魯迅とカオス」である。また、「狂人日記」は、狂人の統合失調症について解説がある。
森鴎外
歴史小説を中心にして、「鴎外と感情」というシナジーのメタファーを作っている。例えば、「山椒大夫」や「佐橋甚五郎」さらに「渋江抽齊」でデータベースを作成している。感情による決定を人間自身は理解できないとするファジコントロールは、日常経験や論理思考を数式により理解するために開発された。人間の感情による決定には適応がないため、ここでは、敢えて感情と行動を組みにし、感情を情動と畏敬に、情動を創発と誘発に下位区分し、登場人物を駒にして考察している。
シナジーのメタファーは、マクロに通じる分析方法
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロの分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成して全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探していく。
執筆脳の定義
執筆脳の定義は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読みとする。そのため、先行研究は、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の論文や著作である。
分析する作家たち
トーマス・マン、魯迅、森鴎外の著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析を意識し、地球規模と他系列との共生(メンタルヘルス)についてナディン・ゴーディマ(1923−2014)を交えて考える。分析している作家の数は、日本、中国、ドイツ、フランス、南アフリカを合わせて現在80人弱である。