発達障害の意味
発達障害は「発達の特性」 Developmental Disorderとは「発達の凸凹やアンバランスが大きい」という意味合い。発達凸凹や発達障碍(障がい)と表記されることも多い。 「障害」という言葉の重さから「治らない」「乗り越えられない壁」という誤ったイメージを持たれやすいが,そうではなく,適切な手間暇をかけることで,その程度は変化し改善する可能性がある状態,つまり「特性」であって,まして「病気」と捉える必要はないと考える。 対応の基本は,周囲が適切なサポートを行う,あるいは本人が求めることで困難を軽減させるという姿勢を終始保つこと。 発達障害の法律上の定義
「発達障害者支援法」(2004制定) 〇 法的な支援の範囲は政令,すなわち政府によって規定される 医学的な概念とは必ずしも一致しない。 ○ 通常低年齢(早くて3歳頃,遅くとも小学校に入る頃まで)には,発達障害の有無は分かる。 ○ 脳(中枢神経系)の機能障害と推定される つまり,生まれ持っての特性であって環境が主原因ではない。ただし,(当然) 環境は本人の状態に影響する。 主な発達障害 (限局性)学習障害/症 ((S)LD) 読み書き計算のどれか,あるいは複数に極端な落ち込みがある状態を指し,全般的な知的な遅れを伴う知的障害とは異なる。 専門的には,ディスレクシア(読み書き障害),ディスグラフィア(書き障害),ディスカリキュリア(計算障害)と区別されることもある。 注意欠如/欠陥 多動性障害/症 (ADHD) 落ち着きのない多動性,衝動的に行動する衝動性,ケアレスミスの多い不注意が3つの柱。実行機能のコントロールがうまくいかない。比較的,多動/衝動性タイプは男性に多く,不注意タイプは女性に多いとされている。 自閉症スペクトラム障害/自閉スペクトラム症 (ASD) 社会性や相互コミュニケーションの問題,こだわりの強さや常同行動を症状の柱とし,感覚の異常(過敏/鈍感)を伴うことがよくある。 発達障害イコール自閉症と誤解される場合もよくあるが,発達障害には,それ以外にも発達性協調運動障害(DCD)やトゥレット障害など様々なものが含まれる。 《文責》神戸教育カウンセリング研究会事務局 |
発達性協調運動障害/症
発達障害のひとつで,マット運動,ダンス,自転車などの粗大運動や箸使い,ボタンはめ,運筆などの微細運動が極端にぎこちない「極端な不器用さ」を症状とする。
大人の発達障害
大人になってから症状が現れたのではなく,大人になってはじめて発達障害と診断されたという意味。
大人になって初めて医療機関に相談するので,その多くは二次障害に対する服薬が始まる。 知的障害
知的発達症,精神遅滞と呼ばれる場合もある。認知能力と社会への適応能力で診断される。知能検査としてWISC−WやWAIS−Wが用いられることが多い。
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