傾聴の理論
Active Listening (積極的/能動的傾聴) アメリカの心理学者C.ロジャーズが理論化 〈自己一致〉 自分の相手に対する言動が,表裏なく一致していてブレがない。真摯な態度,嘘のない自分で相手に対する。 〈受容〉 自分の価値観で相手の言動を評価し否定しない。自分の物差しで人を測らない。相手を頭から否定しないで,相手の物差しはどういうものなのだろうと虚心に考える。 〈共感〉 相手の立場に立って話を聴き,しかもそのように聴いていると言うことが相手に伝わるようなリアクションをしつつ聴く。 傾聴とは
傾聴とは「自問自答」
会話を中心とした相互コミュニケーションによって,話し手の内に“もう一人の自分”を作り出す営み。受容とは相手の言動を鵜呑みにすることではなく,共感とは相手に単純に同調することではない。 傾聴とは「横の関係性」 常に表裏の無い自分で相手に接し,相手を評価するような言動を取ることなく,横の関係性に終始する。 傾聴のスキル 相手にペースを合わせて聴き続けることで生まれるプラスの感情を素直に相手に伝える 基本的スタンス 聴くことに徹する。相手の話にかぶせて自己主張したり,意見を言ったりしない。 パーソナルスペース 相手が安心して話すことができる位置に座る。相手の視線を受け流すことができるようにやや斜めの位置に座る。 ペーシング・ミラーリング ペーシングとは文字通り相手のペースに合わせること。相手の鏡になるつもりで相手の動きに合わせるのがミラーリング。どちらも“相手に合わせる”こと。 相づち うんうんと頷くだけでなく,「なるほど」「そうなんですね」とその場に応じた言葉を付け加える方が効果的。 繰り返し 相手のことばをそのまま,あるいは少しだけ変えて言う。全くのオウム返しでも構わないが,可能なら語尾程度は変えてみる。 促し 「それでどうなりました?」「それで,それで?」など,聴きたいという気持ちを促しの形で表現する。 要約 「つまり〜ということですか?」など,話のポイントを短くまとめて相手に確認する。それによってお互いの理解のずれを修正する。時には,相手に新たな気づきが生まれる。 質問 「なぜ?」を詰問調で用いることは避ける。「はい」「いいえ」が答えやすい。ただし,相手と関係が深まれば「なぜ,そのように考えているのですか?」のように,相手の思考を深めたり,相手の気持ちを確かめたりするための「なぜ?」はむしろ必要になる。 《文責》神戸教育カウンセリング研究会事務局 |
ビッグファイブ理論
特性5因子理論と呼ばれ,人の性格は外向性や誠実性等,5つの大きな特性からなっていると考える。
エゴグラム
アメリカの精神科医,エリック・バーンが理論化した「交流分析」に基づき,弟子であった心理学者のデュセイが考案したパーソナリティ診断法。
日本では東大が開発したTEG‐Uが心理検査として有名で,学校等でも心理教育の教材として簡略版がよく用いられる。自分の自我状態,対人関係の基本的態度を5つに分ける。 類型論と特性論
類型論とは,人の特性をいくつかのタイプに分ける考え方。それに対して,特性論とは特性の凹凸が人によって異なり,その凹凸全体がその人の個性だという考え方。
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